誰かに共感してもらえることはこんなに嬉しいことだったのかな

コロナ禍を経てお店の接客マニュアルは変わったのかしら?

と聞いてみたい程、なんとなくモヤモヤする接客を受ける事が多くなった気がする。何を買う時も最近は先にネットで情報を得ていたり、オンラインで例えばアイシャドウのお試しができたり。お店で販売員さんから話かけられても、まず声を掛けられる第一声が「ネットか何かで見られたのですか?」、「YouTube見られたのですか?」なのだ。

ひねくれた考え方なのだが、ネットで何かを見てきた前提の言葉を投げかけられる事が増えた気がする。

 

まあ確かにネットで一度見て考えたうえで足を運んでいる訳なのだが、その一言になーんとなくモヤモヤしてしまうのは私が"それ"の世代ではないからだ。

 

なんとなく、「もう決めてきているんですよね」と、どうしても少しだけ突き放されたように聞こえてしまう。私は販売員と呼ぶよりも、ショップ店員と呼びたい年齢である。つまりはネットから情報も拾えず、YouTuberの居ない時期にカリスマだったショップ店員さんにどうしてもあこがれていた世代だ。

 

だから私にとってのすごい店員さんというのは、自分の好みをしっかりと客にも言える・ネットの情報に忖度されない店員さんを指すことになる。

 

前置きが長くなってしまったが、そんな私にとって絶滅危惧種な店員さんに担当してもらえる機会なんて早々なく、店舗で買い物するたびに「これ、別に店舗じゃなくてネットで買ってもよかったよな」なんて毎回買い物終わりにショップ名の入った紙袋を肩にかけつつ思う日々ばかりだった。

 

が、

 

そんな日がようやく終わりを告げたのだった。

 

秋服を買おうと性懲りもなく実店舗に足を運び気になった服を手に取って合わせていたら、いつものように試着どうですかと声を掛けられた。そして試着室に入り2つのブラウスを着てみる。似合うのは自分でもわかっている、Bのブラウスなのだ。

だがAのブラウスの方が可愛い。ただしっくりくるのはBなのだ。

「いかがでしょうか?」と声をかけてくれた店員さんに

「Bの方が似合っているのは分かっているんですけど、Aの方が可愛くて惹かれるんですよね」とアホ丸出しな回答に店員さんは笑って「あ。それは迷っちゃいますよね」と共感してくれた。それだけ。

 

それだけ。

 

それだけの事なのになんだか心が軽くなった。

なんだろう、今までの返答だと「ゆっくり悩んでくださいね」「合わせやすい方で選びましょうか。持っているアイテムはどんなものが~...」という次の提案なのだ。

だからなんとなく、一呼吸おける彼女の「共感してくれる一言」に私の心は軽くなった。

結局悩んだ末にBを買ったのだが、本社にすぐメールしてあの店員さんにボーナスを!!を伝えたい程優しい時間を貰えた気さえした。

 

 

私は彼女の何を本社に伝えたいのかその時は言葉にできていなかった。これってどう伝えたらいいんだ?と悩んでいたが、今回このお題を見てそういえばあんなこともあったな..と思いながら書いていた。ら、彼女の共感力、に心が軽くなり久しぶりに店員さんと買い物を楽しめた日だったのだ。

(友達と買い物をするのも、自分が欲しいものを一人で買うのも楽しいのだが店員さんと、というととても久しぶりに感じたのだ)

 

そんな素敵な気持ちにさせてくれた店員さんがいる事に気づき、そのお店に仕事終わりに週1で通い、見事に秋服は困らない程そろっている。

多分冬は破産するなぁ。

 

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